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自動車のエンジンオイルの違いと価格差

自動車のエンジンオイルって1Lあたり数百円~数千円までと、やたら幅が広いですよね。そんなエンジンオイルの価格差のワケと注意ポイントをご紹介します。

 

基本的にはオイルのグレードと粘度と品質に比例する 

価格差に関して、安価なオイルは単にグレードが低い場合がほとんどです。稀に客寄せの為に赤字覚悟でやっているところもありますけど。交換の際には、自分でやる/お店でやってもらうを問わず、「API分類」と「粘度」「APIマークの有無」「ILSACマークの有無」を見てください。グレードが高くて、粘度が低くて、API・ILSACマークが付いた製品は高価なオイルとなりますが、自社だけでなく、別機関であるAPIやILSACが行うテストもクリアしたという証です。一方で、グレードが低くて、粘度が高くて、マークの無いオイルは非常に安価となりますが、マークが無いオイルは、オイルメーカーの自社テストだけをクリアした製品です。私たち一般人には、マークの有無は思わぬ盲点かと思います。是非、参考に見てみてください。

 

API分類 

価格差に疑問を持ったらまずはここを見るべし!APIはオイルの品質分類で、アルファベット2桁で表示されます。1桁目は「S」または「C」で始まり、「S」がガソリンエンジン用で「C」がディーゼルエンジン用であることを表します。

ガソリン車用:グレードが低い「SJ」→「SL」→「SM」→「SN」グレードが高い

厳密にはSAからSHもありますが、平成二桁時代になってからはほとんど出回って無いので省略しました。現状はSJが最低限の性能を持ったオイルで、SNが最上級で、お店で安価にやってもらえる場合はSLかSMが多いです。

ディーゼル車用:グレードが低い「CE」→「CF」→「CF-4」グレードが高い

こちらも厳密にはCAからCDまでありますが、現状ではほぼありません。CF-4は主にトラックやバスなどの大型車用なので、一般乗用車ならCFとなります。ディーゼル車はガソリン車よりも繊細で敏感なため、絶対に指定オイルにしましょう。

 

SAE粘度 〇W-〇〇

 オイルの粘度を表す番号で、これによって使用条件に最適な粘度のオイルを選ぶことができます。一番左が低温時で、WはWinter(冬)の意味、右の二けたの数値は高温時の粘度を表しています。

左が低温時の粘度:低い(サラサラ)「0W」→「5W」→「10W」→「15W」→「20W」高い(ドロドロ)

ー(ハイフン)を挟んで

右が高温時の粘度:低い(サラサラ)「16」→「20」→「30」→「40」→「50」→「60」高い(ドロドロ)

サラサラオイルの特徴は、冬場などの低温でも始動性(エンジンのかかり)が良く抵抗が少ないので燃費向上効果があるのがメリットです。一方でデメリットは、エンジンを摩擦から守る力が弱い事と、それらを補うために添加剤が入るので高価な事です。

ドロドロオイルの特徴は、高温でもエンジンをしっかり保護できて、粘度が高いので静穏性に優れていることがメリットです。一方でデメリットは、若干の燃費の悪化です。

最近のエコカーは0W-16を指定している場合も多いですね。このようなサラサラオイルは、特性上もともと低い潤滑性を出来る限り高めてエンジンを保護しつつ、その持続力も向上させるので、高度な技術力を要し、コストがかかるので高価となります。 なお、許容範囲があるクルマは季節や予算、累計走行距離によって使い分けるのも良いと思います。例えば、「推奨:10W-30、5W-30も可」であれば、冬だけ始動性の良い5W-30にするとか、価格差が無ければ燃費向上効果のある5W-30を普段から使うとか、走行距離が多く、オイルが減るようになり始めていたら10W-40にするなど。ただし、車種によっては使用を禁止されているオイル粘度がある場合もあるので、気を付けてください。

 

APIマークの有無

ドーナツ型が特徴のAPI(アメリカ石油協会)マークの付いた製品は、APlが行う認定テストに合格したことを示し、安心できる高品質オイルの証です。現状、残念ながらAPI認定テストを受けていなくても、オイルメーカーはAPI分類に沿ってグレード表記ができます。ようは、自社でSNグレードを満たしていると思える製品なら「SN」と表記が出来てしまうのです。そのため、出来る限りこのマークのあるオイルを使用してください。

 

ILSACマークの有無

上記のAPI認定テストに合格し、更にILSAC(日米自動車工業会)が実施する燃費テストに合格したことを示します。現在はGF-5がILSACの最高規格となっています(低 GF-1~GF-5 高)。このマークもあれば、燃費向上効果が認められ、なおかつ耐久性や保護性能も高い最高のオイルである証です。ディーラの純正オイルは高価ですが、これらマークが全て揃う最高級オイルを取扱っている場合がほとんどです。大切に乗りたい場合や、性能を維持したい場合はこのマークもある製品を選ぶと良いです。

 

ベースオイルの種類 

 オイル粘度の性質を一言でいうと「高温時の粘度を硬くすると保護性能は上がり、柔らかくすると燃費がよくなる」ということになります。その一方で、粘度を硬くすると燃費は悪化し、柔らかくすると保護性能は落ちてしまうというデメリットが生じます。この場合、ベースオイルを化学合成油にすることで解決します。ベースオイルとは、エンジンオイルとして使用されることを前提に作られたオイルで、保護性能の高さ以外にもオイルが劣化しにくく、その性能が長期間維持されるなどの長所があります。ベースオイルの種類は①化学合成油、②部分合成油、③鉱物油の3種類です。

①化学合成油

潤滑上、最適なオイルを化学的に合成したもので、ベースオイルそのものが優れた潤滑性能を持ち、最も高性能なオイルのベースとして使用されます。しかし、製法が複雑なので価格は高めです。 価格よりも、高耐久・高性能・高品質を重視している方向けのオイルです。

②部分合成油

鉱物油の性能を向上させるために化学合成油を混ぜたもので、パートシンセティックまたはシンセティックテクノロジーと呼びます。価格と性能のバランスに優れています。

③鉱物油

原油から不純物を物理的に取り除いて精製したオイルで、最も安いです。その反面、耐熱性能に劣り、酸化も早くて劣化しやすいなどのデメリットが多くありあります。 これを使う場合は、こまめな交換が欠かせません。

 

ちょっと雑談と呟き 

安いオイルでこまめに変えれば良い?

よく、「安いオイルにしてこまめに変えれば良い」と聞きますが、実際のところは一概にその通りとは言えません。現在で言う"安いオイルでこまめに変えれば良い"は、裏を返せば「鉱物油をベースに、エンジンオイルとしての最低限の性能と質を持っただけの製品だから、こまめに交換しないとエンジン性能に支障が出る」と言うのが正直なところです。平成1桁より前の車であれば今よりエンジンの精度が低く、そもそもオイルの種類自体が少なかったので、言葉の通り「昔のクルマなら安いオイルでこまめに変えれば十分」でした。しかし、近年のクルマは"高効率"を重視しており、その影響から非常に繊細なつくりです。エンジンのフリクション(摩擦)をいかに減らしてムダを抑えるか、細かい計算をした設計と、コンマ何ミリ以下の高い精度で製造しています。そんな精密機器に、グレードや粘度が低くて安価な指定外のオイルを入れるとどうなるか。答えは、燃費の悪化と長い目で見れば寿命を大きく縮める事になります。もちろん、替えないより替えた方が良いですが、指定オイルにしましょう。

そもそもディーラ等で扱う高価なオイルは、大抵がベースが100%化学合成油で、そこに更に性能アップを狙って添加剤を入れた、言わば最上級のオイルです。安価なオイルは大抵が鉱物油で、そこに添加剤を入れて粘度やグレード等の規格を合わせただけのオイルです。長く乗った時に違いが現れます。もちろん安価でも、グレードが高くて指定粘度で、各種マークのあるオイルなら何ら問題ありません。これに出会えたらラッキーです。こまめに交換して、大切に長く乗りましょう。

 

むかしの話し

以前乗っていたクルマのオイル交換は、初めの内はディーラで行っていました。しかしある時、ディーラの半値レベルの安さで出来るガソリンスタンドの魅力に気づいて、基本的にGSでやるようになりました。セール中ならどこでも良くて、完全にお任せして、オイルの種類やグレード、粘度なんて全く気にしていませんでした。そんなある日、「これにすると燃費良くなりますよ!」とちょっと高価な0W-20のオイルを勧められ、まんまと交換してしまいました。「ちょっと高かったな~」なんて思いつつ、「そういや本来のオイルって何だろう?」とふと疑問に思い、取説を読むと「指定:10W-30 入手が難しい場合は5W-30で代用可能です。ただし、0W-20は絶対に使用しないでください。」と書かれており、「嘘だろ!?\(^o^)/」と慌ててディーラに連絡したことがあります。ディーラから利用環境についていくつか聞かれたあと、次回点検予定が3ヶ月後である事(点検はずっとディーラだったのが幸い)と高速利用の予定が無い事、ちょうど真冬で気温が低い事、近距離の走行しかしない事などから、現時点では緊急性は無いとの旨の回答を聞き、ほっとしました。それと同時にあのGSの店員と無頓着な自分に腹が立ちました。それ以降↑のように学習し、ディーラでやってもらっています。まぁ、ディーラでやるなら自分が学習する必要無かったんですけど、何となく気になったので(笑)

「燃費が良くなるから」とむやみに指定外のサラサラオイルにすると、循環用ポンプが上手く吸い取れなくて故障したり、オイルが燃焼室へ漏れてしまう原因にもなるので、気を付けてください。その時は燃費が向上しても、先々で思わぬ出費になります。ちなみに、10W-30指定なのに0W-20を入れていた時の燃費向上効果は5%あるかどうか程度でした。同じグレードでもサラサラオイルは高いので、結局相殺されてしまい、意味がありませんでしたorz

 

結論

結局のところ、「良く分からない」とか「めんどくさい」という方は、自動車メーカー指定のオイルを使うに限ります。場所もディーラが無難です。ディーラで、「オイル交換してほしいけど出来るだけ安く済ませたい」と頼めば、問題の無い範囲内でグレードや種類を変えたオイルを提案してくれます。もちろん、ディーラなら保証も効きますし。カー用品店やガソリンスタンドなど、他社を利用する場合は、あらかじめ愛車の指定オイルを把握しておきましょう。