頑張れ日本!なブログ

衰退傾向にある日本 でも日本は実は恵まれているのだ

食品会社で働くなら知っておきたいこと

 

近年の食品会社は、消費者からの安全面や衛生面などの要望が強くなり、日々ルールや仕組みの変更などでバタバタしている業界です。

ここ数年で食品に関してはかなり厳しくうるさくなり、私の勤めていた会社も入社時に比べて格段に改善されていきました。そんな食品会社にこれから就職しようと思っている人に、こんな感じで色々やってましたよーというのを書いていきます。

あくまでも私が8年間勤めた工場で感じたことや経験したことからなので、会社によって違うところがあると思いますがご了承を。

 

ヘテムル

 

 

入場時の手洗い、全身ローラーがけ

食品製造での最大の敵は「菌」「虫」「毛」です。

手洗いをすることによって手についた菌を落として殺菌し、全身をローラーがけすることによって身体に付着した虫や体毛を除去します。

タイマーをつかって、手洗いとローラーがけをそれぞれ30秒~60秒行っているの会社が多いです。

 

 

菌対策

人間の手はとても汚いです。入場時に手を洗っても、汗をかいたり他の機械を触ったりすると汚染されます。基本的にはゴム手袋をすることになると思いますが、定期的に次亜塩やアルコールなどによる殺菌を行っています。

 

 

虫対策

もし食べ物を買っていざ食べようとしたときに、中に虫さんが浮いてたら気分悪いですよね。

食品会社ではそこにはかなり気を使っていて、ドアの開け閉めは最小限にしたり、ドアを二重にして、外側のドアが閉まらないと内側のドアが開かないなどの対策もしています。

殺虫業者を委託している会社も多くあります。定期的に殺虫をしにきてもらい、また虫の発生箇所を把握するために工場内の数ヵ所に捕虫機を仕掛けて、捕虫数や対策など報告書にまとめて会社にアドバイスをくれます。

 

古い建物になると、床の亀裂、腰壁の隙間、配電盤の上や下など様々な所が虫の住みかになってしまいます。チョウバエやチャタテムシなどの工場によくいる虫は、カビや粉っぽいところでそれを食べて繁殖するため徹底的にポイントを潰す必要があります。

少し前に、カップ焼きそばにゴキブリが混入したニュースがありましたが、ゴキブリがそのまま一匹入るということはかなりレアなことです。とくに大手の会社ではゴキブリサイズの虫などは工場に侵入することすら難しいはずです。また、一度そんなニュースになってしまえばその会社も、その他同業他社も虫にはかなり注意して対策すると思いますので、再発することはほぼないと言っても良いと思います。

 

毛髪混入対策

全身ローラーがけはこの対策の一部なのですが、それでも作業者自体に毛が生えている為(ない人もいます!)、どうしても作業をしていると頭巾の間から髪の毛が出てきてしまったり、ポロリとどこかから落ちてきたりしてしまいます。なので、頭巾をしっかりかぶり、上着をズボンのなかに入れたり、腕まくり禁止だったりと、作業者の身だしなみにはうるさいです。設備自体に毛髪混入カバーをつけるなど対策も大切です。最近では人間が作業をしなくても機械が自動的に製造をしてくれる設備も有るため、根本的には人間が解放された食品に近づいて作業をすることのない環境作りが重要になってきます。

 

 

ドライ化

普段しっかり清掃をしていればそこまで問題ではないのですが、「カビ」も食品に混入すると大変なことになります。

カビを防ぐためには床や機械などに水気を残さない、垂らさないことで、常に乾燥している状態を保つことが重要です。当たり前のことですが、工場によっては床がびちゃびちゃで、水を跳ねあがながら歩いているところもまだまだ多いです。

 

 

歩留まり管理

これは食品だけでなく製造業なら当たり前のことです。

「歩留まり」とは、原料を100使ったのに対して、製品が100できたか ということです。

もし製品が90しかできていないのなら、残りの10は不良品として廃棄になったのか、どこかで詰まったり無駄に捨てられていたりとロスをしているか など考えられます。

この「歩留まり」を管理して値を上げることによって、より無駄のない製品作りができるようになります。 基本的にはまずは不良品を可能な限りゼロにできるように問題点を見つけ、改善します。

 

ケガをしたらすぐ報告して対処

食品に血が混入してしまったら大変です。ケガをしてしまったらすぐに処置をしましょう。ケガをしたら絆創膏、といきたいところですが、絆創膏も剥がれて製品に混入してしまうリスクがあるので、金属検知器などで反応する特殊な絆創膏などを用います。

 

 

定期清掃プログラム

汚れやすい箇所をみつけたら、毎週清掃するのか毎月なのかを決めて表にします。清掃したら表にやった日付をつけるようにしていけば、どこが清掃できていないのかを一目で判断することができ、清掃漏れをほぼなくすことができます。

 

 

プラスチック製の道具は危険

プラスチックは衝撃にも弱く、劣化するとさらにもろくなります。そんなプラスチックがせいひん

 

 

用具の見える化

製品に混入してしまったらマズイ物の中には、機械の整備や調整に使う工具や、ボールペンなどもその対象になります。工具箱の中にしっかりしまっておくだけだと、もし小さいドライバーが無くなっていたとしてもわかりませんよね? なので壁に工具の掛け場を作ります。 掛け場には、ここにはレンチ、ここにはドライバー、などと表記するなり絵を描くなりしておきます。そうするともし工具が戻ってきていない場合、入社1日目の人が見ても一発で工具の紛失に気付くことができます。   また、誰が持ち出したのかわからないので、それぞれの人の名前の札などを作り、持ち出す時には掛けていくようにすると持ち出した人も見える化できます。

ボールペンなども定位置定数管理をする必要があります。

 

 

長期休暇がとれない

生物を作っている会社は、賞味期限が短いため毎日毎日ちょこちょこと作る必要があります。その為、土日の休みではなく水日だったり、年末年始は4日間だけ、ということも珍しくはありません。作り貯めができないのでもしトラブルで廃棄になってしまったら残業や休日出勤で対応しなくてはいけなくなります。

カップ麺など賞味期限の長いものは関係ないと思います。

 

 

ISO22000という「食品安全プログラム」

大手の食品会社では、このISO22000という、「食品を安心安全にお客さまにお届けするための仕組み」を取り入れています。

具体的に何をするかといいますと、まずISO22000の取得には審査があります。衛生面、虫対策、トラブルが起きたときに問題の製品をピンポイントで見つけ出す為の仕組みができているかなどです。とりあえず最低限のことが達成できていて(お金を払えば)取得はそう難しくはありません。

大変なのはISO22000を維持すること! 

ISOを取得していると、定期的に審査組織から審査員がやってきて、手板を持ちながらカビや虫の発生や書類などを審査します。どこかに製品の「安全性衛生性」などを揺るがすものがあれば指摘されます。それは重要度によってはただちに改善しなければいけません。このような審査をクリアしなければISO22000は没収されてしまいます。

また、この本審査に向けての備えにもなりますが、会社内での【内部監査】というものも定期的に行わなければなりません。本審査は審査組織から人が来ますが、内部監査は会社内の違う部署や工場の人が、それぞれを工場や営業所の監査を行って指摘しあうわけです。  また、このISO22000の大まかな内容を、作業者はみんな理解している必要があるので、審査の時に審査員に質問される場合もあります。

このような活動をISO22000を取得している会社では行っているので、ISOを取得していない会社とは食品の安全性や衛生性には実は結構な差があると考えてもいいと思います。

実際私が入社した時はISO22000をその会社はとっていなかったのですが、酷かったですよ~(笑)

裸の原料と一緒に使わなくなった機械が冷やされていたり、不良品も良品もあっちこっち。清掃も毎日しっかり行えていないような無法地帯でした^^;

取得してからは劇的に改善されて綺麗になりましたけどね。

 

 

 

 

以上はまだまだ一部分です。

これらよりももっと細かいルールなどもあります。鉛筆シャープペン禁止、ヘアピン禁止、セーター着用禁止などなど山ほどあります!

これからの食品会社は常に改善改良に追われていくので忙しい業種だと思います。

食品会社で働くのであれば、一応これらのことくらいは理解できるようにしておきましょう。もしその工場でできていないことがあったら、上司に指摘してあげて評価を上げましょう(笑)

 

 

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